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                  ー シーズン2:エピソード15 組織撲滅(後編) ー





               人々の雑踏や声が聞こえる。そして誰かが自分を呼んでいる。
               「おい、ジョー」
               城嗣はゆっくりと目を開けた。
               そして目の前の健一と純子を見ると、起き上がった。
               「大丈夫か」
               「一体どうしたの」
               「・・俺は・・・!」
               城嗣は立ち上がった。
               「くそ、あいつら、華音を連れて行きやがった」
               「何だって?」
               「華音ちゃんが?」
               「一体どこへ」
               「・・アジトじゃないか?」
               3人は申し合わせたように同じ方向へ向かった。


               男達はうすくらい部屋の中で、ある者は立ち、そしてある者は椅子に座り、と集まっ
               ていた。
               そして壁に寄りかかっていた男はそこらにタバコを投げ捨て、言った。
               「お客さんが増えてしまったな」
               「仕方ないさ。あいつ本人を叩いたって、吐きそうにない。それなら奴が大事にして
               いるものを奪ってくれば否応無しに口を割るだろうよ」
               「ふ、可哀想だが、親子共々一緒に送ってやるさ」

               彼らのいる部屋の隣の薄暗い部屋の奥に、縛られて椅子に座っている華音がいた。
               彼女はそれこそ連れて来られた時は気丈にしていたが、だんだん心細くなったのが、
               ぐずりだした。
               「・・・パパ・・・」
               そして泣きそうになったとき、ふいに誰かの声がした。
               「・・大丈夫?」
               「・・・え?」
               華音は声のする方を見た。薄暗かったが、微かに誰かが目の前にいる。目が慣れてく
               ると、それは同じように縛られて椅子に座っている女の子のようだ。
               彼女は華音より年上で、5、6歳といったところか。
               「泣かないで。大丈夫、きっとママたちが助けてくれるから」
               「・・ママ?」
               「うん。約束したんだもん。ママはすぐに一緒に帰れるって言ってた」
               「ここ・・どこ?」
               「わかんない。たくさんおじさん達がいるみたい」
               「・・・かのん・・早くパパのところへ帰りたい」
               「かのん、って言うの?」
               「うん。あさくらかのん」
               「ふうん。わたしは、ほんじょうりかよ」
               少女はそう言ってほほ笑んだ。



               そんな中、捜査一課にまた情報が入った。別の筋からのようだ。
               吉羽は腕を組んだ。
               「・・・今度は何だ。・・あいつに仲間がいるのか?」
               「・・先輩、向こうの情報なんだから、スパイじゃないかもしれないですよ?」
               「それは解らんだろうが」
               「でも・・・・」
               メンバーたちは新たな情報に取りかかっており、2人は取り残された気分になった。
               「くそっ、俺は知らんぞ」


               健一はバイブを感じ、携帯を開いた。
               そこにはメッセージが書かれていた。
               「甚平からだ」
               城嗣と純子は彼の元へ集合した。
               「連絡したそうだ。間もなく動き出すだろう」
               「それじゃ、私たちも出動ね」
               「ああ」
               3人が署から出ると、そこに皐が立っていた。
               「私も行きます」
               城嗣はうなづいた。






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