『 星の 海 』




                nightsky




                   空を見上げた。

                   何だろう、この星の数は・・・・今まで見た事もない。

                   こんなに空には星があったんだな。

                   なぜ気が付かなかったんだろう。

                   今まではこうしてじっくり眺める事もなかったからなあ。

                   戦いに明け暮れ、息をするのさえ忘れてたみたいだ。


                   そうだ。久しぶりに飛んでみようか。

                   俺はセスナ機に飛び乗り、エンジンを吹かせた。


                   やがて機体は上へ上がり、夜空に溶け込んだ。


                   凄いな・・・。まるで星の海だ。

                   何だかここで泳げる気がしてきた。


                   これはきっとお前がくれた星空だ。

                   たくさんの星々のその先に、お前がいるような気がする。

                   このまま行くと、もしかしたら会えるかもしれない。


                   天国もこんな感じなのかな。

                   もし親父に会ったら、よろしく言っておいてくれよ。

                   多分お前の事も知ってるから。

                   俺は当分ここにいて、そして会いに行くさ。


                   星々が一段と増えていく。

                   たまにはこうして無心のまま眺めるのもいいな。

                   お前も同じものを見ているか?

                   またいつか一緒に見ような。






    
                                 fiction