しばらくして2人は目を覚ました。どのくらい寝ていたのだろうか、もう陽が
傾いている。
「・・やだっ、寝ちゃったわ!」
佳美はそう言って起き上がった。その声に気づいた美香もゆっくり起き上がっ
た。
佳美はポケットから携帯を出した。
「・・あ、あの、」
相手は城嗣だった。彼は健一と共に交番に戻っていた。
「なんだ、どうした?何かあったのか?」
佳美は今あった事を話そうと思ったが、口をつぐんだ。きっとそんな危険な事
をするな、と怒られる。
「・・ううん、あまり無茶しないで・・気をつけてね。じゃ。」
佳美はそこで切った。なので、城嗣はえ?という表情をして同じように切っ
た。
「ちぇっ、へんなヤツ。」
翌日の警察署。
廊下を反対側から歩いていた佳美と城嗣はばったり会った。
佳美がモジモジして何だか目が泳いでいる感じがしたのか、城嗣はふんと笑っ
た。
「おい、どうしたよ。昨日から変だぜ。」
「あ、あのー」
城嗣が彼女の横を通って行きそうになったので、佳美は思わず彼の腕を掴ん
だ。
「・・・・。」
2人はしばらく黙ってお互い見つめ合っていたが、城嗣は佳美の頭を引き寄
せ、額にキスをして行ってしまった。
佳美はうつむいた。
(・・・一体・・何が起きているの?浅倉くん・・)
