『  不調 』






                       どうしたんだろう
                       今までこんな事なかったのに


                     彼はじっと天井を見つめた。
                     朝目覚めると体がふわりと浮いた気がして
                     そのまま暫く経つと今度は頭がグルグル回りだし た。


                     やはりあの時の症状はウソじゃなかったんだ
                     明日はきっと大丈夫だと思ってたのに


                     たいていの人間はそうだと思うが
                     具合が悪いのは一時的なものでありすぐに治るも のだと思い込む。
                     いや、思いたい。
                     だが、彼の場合は違った。
                     何だか昨日よりも悪い気がする。

                     窓から外を眺めた。


                       俺は・・どうなってしまうんだろうな
                       このまま治らなかったら・・・


                     ジョーは頭を振り、横を見下ろした。
                     そしてすやすや眠る小さな仔猫をそっと撫でた。



                       お前を置いて行けないよ
                       俺がいなけりゃ誰がお前の面倒を看るんだ

                       ・・・弱気になるな、ジョージ浅倉
                       いや、コンドルのジョー
                       お前の使命はまだ果たされていない
                       すぐに良くなるさ


                     ジョーはベッドから降りると、シャワー室へ向 かった。
                     そしてさっぱりした顔で愛機の整備をするため外 へ出た。







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