『 定 め 』




                 いいか、ジョージ。
                 これを持って。そしてもう片方の手をこう添えるんだ。
                 そう。そして右の人差し指ーわかるな、この指だぞ。

                 これをこう構えて、あそこに向けろ。
                 あの木につけた丸いものが見えるだろう。
                 真ん中に弾を撃ち込むんだ。

                 うん、いいぞ、もう少しだ。
                 お前は目がいいな。ちゃんと方向もあってるぞ。
                 もっと練習すればきっとすごい射手になれる。

                 いつか動くものを標的にしよう。



                 ジョージ、あの木の果物を取ってみましょう。
                 ただ登って取るのじゃつまらないでしょ。
                 これを投げて落とすのよ。

                 これ?みてごらん。
                 普通の薔薇に見えるでしょ。この先に刃がついているの。
                 これであの上の部分を切るのよ。

                 もう少しね。でもかすめてるわ。
                 あなたはちゃんとここから標的が見えるのね。
                 速さもあるからきっと的確に落とせるわ。



                 なぜだか当時はなぜ両親が俺に武器を仕込むのが不思議に思わなかった。
                 彼らがギャラクターの一味だったことを思えば、答えは自ずと出る。
                 いずれは子供もギャラクターに入ることを考えてのことだったのか。
                 いや、恐らく奴らを倒してほしいと願って俺に仕込んだのだ。



                 俺は2人から仕込まれた技で奴らを叩く!

                 それが・・・俺の定めだからだ。





                               ー  完  ー






                                 fiction