『 デートはいつも・・ 』



               どうした?機嫌悪そうだな。

               『だって、いつもこんなところ走らされて、貴方といられるのにちっとも
               ロマンチックじゃないわ。
               たまには景色のいいところがいいな。』

               だけどみんなはお前の走りを見るのが好きだって言っているんだぜ。

               『他の人たちがみな私の姿を見て喜んでくれるのは嬉しいけど、
               時にはゆったり周りを見てみたいわ。』

               分かったよ、今度お前が行きたいところに連れて行ってやる。

               『嬉しいわ。貴方と一緒にいられるのはあまりないもの。』

               そうだな、出動は一緒だが離れているしな。

               『あそこは狭くて嫌いよ。』

               あそこしかなかったんだろうな。

               『すぐめくれるし。』

               確かに弱いな・・・。

               『なぜ ”あの時”はあんなに細くなんなきゃいけないの、おかげで
               一番熱い思いして大変なのよ。』

               顔の部分だから仕方ないさ。

               『他の子たちが羨ましいわ。』

               そうか?他の奴らだってそれなりに大変な思いしているかもしれねえぜ?
               けっこう手強い相手に傷つけられているからな。

               『ねえ、貴方の好きな場所はなあに?』

               ん?俺か?

               『私、貴方の好きな場所で一緒に時間を過ごしたい。』

               そうだな。俺はー

                  ー” G−2号、応答せよ。”ー

               いけね、出動だ。

               すみません、博士。これから指示に従い、そちらに向かいます。

                  ー”うむ。まだ全員揃ってないが、一刻を争う事態が起きた。すぐ
                 さま集合せよ。”ー

               ラジャー!


               やれやれ、お呼びか掛かった。というわけで、またデートはしばらくお預
               けだな。

               『仕方ないわね。いいわ、こんどこそ絶対よ。』

               ああ、約束するよ。

               それじゃ、行くぞ、相棒。

               あ、くれぐれも安全運転に、な。




                              fiction