『 再会、そし て・・・ 』




              そこは光溢れる空間だった。
              辺りは優しい空気に包まれ、とても静かだった。
              彼は一瞬どこにいるのか分からなかったが、きっと自分はあのまま 死んだ
              のだと悟った。

              彼はゆっくりと体を起こしたが、不思議と痛みはなかった。むし ろ、軽く
              て楽な気持ちがした。
              そして彼は一人の老人に会い、彼からここに自分が来た理由を聞か された。
              どうやらこうなる事は自分の運命だったらしい。最初から決められ ていた
              人生だったのだ。
              両親は彼の身を案じ、と同時に自分たちの罪を悔い、そして彼を待 ち続け
              た。
              どんなにか会いたかっただろう。

              そして彼の両親は、ようやく最愛の息子に会えたのだ。

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              「あれえ、何だろう、あの羽の生えたヤツ・・・・。小人みたいだ な。
               変なの。」
              ジョージはむくっと起き上がると、近くにあった小石を掴み、そ の”ひら
              ひらしたヤツ”に向かって投げた。
              ”ひらひらしたヤツ”はひらりと小石をかわし、まるでからかうよ うに彼の
              頭上を飛び回った。
              「何だよっ!」
              ジョージは手を伸ばし、それを捕まえようとした。が、それは地上 高く
              舞い、そのまま飛んで行ってしまった。
              「・・・ちぇっ。」
              彼はまたごろんと横になって空を見上げた。
              「・・・ここって変だな。明るいだけで太陽なんか見当たらない や。」
              そう言って彼はふいに誰かが自分を覗き込んだので、目をぱちくり させた。
              「あー、やっぱりジョージくんだー。」
              「・・・レナちゃん・・?」
              ジョージは起き上がった。
              確かに目の前には死んだ筈の女の子が立っていたのだ。
              「何でここにいるの?」
              「レナね、死んじゃったからここにいるんだって。神様がそう言っ ていた
               よ。
               ジョージくんも、死んじゃったの?」
              「・・知らないよ、そんなの・・」
              「でも、良かった!おかげでジョージくんに会えたんだもん!」
              レナはジョージに抱きついた。なので彼はびっくりして彼女を離そ うとし
              たがなかなか離れてくれないので困った顔をした。
              「レナちゃん、離れてよ・・」
              レナはちょっと悲しそうな顔をした。
              「ジョージくん・・・レナの事、嫌いなの・・?」
              「ううん。そんな事ないよ。」
              レナは嬉しそうに笑った。
              「良かったー。でも・・・・いいな、ジョージくんはパパとママも いて。
               レナ、一人ぼっちだよ・・・。」
              「一人ぼっちじゃないよ、僕がいるじゃん。」
              ジョージはレナの手を握った。
              「向こうまで走って行こうよ、綺麗なお魚が泳いでいたんだ。」
              「うん。」
              2人は草原の中を手を繋いだまま駆け出した。
              彼らの行く手には大きな虹の橋がかかり、羽をつけた小人達が飛ん でいた。



              「綺麗な虹ね。」
              「ああ。」
              「ねえ、覚えてる?私たちが小さい頃、同じように虹の下で遊んだ わ。」
              「君は天使の羽が欲しいってだだこねてたっけな。」
              「あら、そんな事まだ覚えているの?」
              「俺はいつだって君に振り回されっ放しさ。・・・昔も今も。」
              「・・意地悪ね。」
              2人はそっと寄り添った。そして影は一つになった。


        
                              ー Fin ー






                               fiction